柳川の雛祭り、大宰府

 行き当りばったりのフーテン旅行でも、たまには”当たる”ことがある。 昨晩投宿した街は、おりしも旧暦で祝う「柳川ひな祭」の真っ只中、16日はそのクライマックスと云うべき「お雛様水上パレード」の日であった。お内裏様、お雛様、着飾った稚児と母親達がどんこ船と呼ばれる川下りの船に分乗して、掘割に飾られた「さげもん」の中を進む。

 「さげもん」とは旧柳川藩時代に女の子が生まれた時、着物のはぎれで、この子が一生幸せでありますようにと祈りを込めて、縁起のよい「鶴」「兎」「宝袋」「三番鼠」などを一針一針縫い上げた手作りの布細工を下げ輪につりさげたもの。この時期、柳川のどの商店も趣向を凝らした”雛飾り”と”さげもん”を店頭に飾る。華やかな柳川の春の訪れである。

 

  パレード出発地点のすぐ近くに”御花”・松涛園がある。柳川13万石・立花氏の別
邸で、洋館と書院造りの折衷建築に”松島”を模した庭園の構成。 庭園はそれほど
広くないが、樹高を人の背丈ほどに抑えたアカマツの植栽が実際以上の広がりを演出
している。

 

  博多への途中、大宰府に立ち寄る。梅の季節はとっくに過ぎたのに、天満宮は多く
の参拝客であふれている。耳にする言葉から、韓国、中国からの観光客が多い。 そ
ういえば、冬場の九州のゴルフコースが韓国からの客で一杯だ、という特集を何かで見たのを思いだした。釜山から高速艇で2時間ちょっとという。 アジアの観光客は大迎だが、参道にある免税店には少々場違いな感を受ける。 天満宮からさほど遠くないところに「九州国立博物館」があり、その中の、アジアの文化交流展示室は質、量ともに見ごたえ十分。

 

(3.16 記)

千葉県柏市在住 河内のオッサン

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